Lifestyle × LiB contents|001
自分のスタンダードを
バージョンアップしていく幸せ
Aoki Kazuko青木 和子さん
Aoki KazukoLifestyle × LiB contents
いつ伺っても、凛とした空気感にすっと背筋が伸び、同時にリラックスして自然と笑顔になる...。刺繍デザイナーの青木和子さんが30年以上暮らすのは、そんな家です。
家がガラッと変わることで、暮らしも変わっていく。そんなリフォームをたくさん手がけてきましたが、青木さん宅は、その対極ともいえるお仕事でした。
「今の家に満足しているから、きっとリフォームは大変そうだね」。
キッチンや洗面室など水回りのリフォームを考え始めたとき、青木さん一家はそう話していたそう。リフォーム完成後に初めて本音を伺いましたが、その言葉に心から納得。長年ご自身のセンスで素敵に暮らしてきて、変えたいところがない。最初の打ち合わせの時、プロの私たちが見ても「変える必要あるのかな?」と思ってしまったほどでした。
2度にわたるリフォームが
人生を変えるきっかけに
―そんな中、リフォームしたきっかけは?
「変えたいところがないと言っても築30年近く。これからの暮らしを考えて、気力や体力がある60歳までにリフォームをと思ったんです。これでようやく肩の荷が下りて、これからは大好きな家でゆっくり過ごせそう」
―キッチンリフォームの5年後に、寝室やお庭もリフォームされましたね。
「やってみて本当によかった。2度のリフォームが後半の人生を変えるきっかけになりました。やりたいこともパワーもまだこんなにあったんだ!と前向きになって、次の景色がみえてきた感じです」
「ずっと変わらない長く愛されてきたもの、スタンダードという考え方が好きです。インテリア、庭、そして暮らし全体を、自分のスタンダードを大切にしながらバージョンアップしたようなリフォームでした」
お気に入りのケトルでお湯を沸かし、ドリッパーでゆっくりとコーヒーを入れてくださった青木さん。
白いタイルとカウンター、木製のキッチン雑貨、鋳物のゴトクのガスコンロ、青木さんのいう「スタンダード」が散りばめられたキッチンに、コーヒーのいい香りが広がります。
ベッド下にスニーカー、このかわいい演出は「地震で逃げるとき用」。災害への備えすら、素敵なインテリアに変身させています。
長く愛されるデザインに触れた
スウェーデンでの体験
ー青木さんのセンスや価値観は、どこで培われたものなのでしょう。美大でテキスタイルを専攻されていたことも大きいのでしょうか。
「20代半ばの1年間、スウェーデンで過ごしたことがあるんです。いわゆる流行りの北欧デザインではなく、現地で実際に普通の人の日常、普通の暮らしの中に生きるデザインに触れたことは、全く違う体験でした。その頃から素材感、色、形、すべて身の丈に合ったものを大切にして暮らしたいと思うようになりました」
庭に咲き誇る草花や旅で出会ったものをテーマに、一枚の絵のようにデザインされた青木さんの刺繍。その世界観に魅せられるファンも多く、25年以上第一線で活躍されています。
寝室の一角に作ったアトリエで、これからも次々に青木さんのデザインが生み出されていくのが楽しみです。
季節の花が咲き乱れ、壁や窓辺をグリーンがつたう庭。植物選びのセンスもナチュラルで、青木さんの美意識があふれています。
青木 和子さんのお宅の詳細はこちらでご覧いただけますAOさんのキッチン・水回り・寝室リフォーム